大抜卓人のNothing But A Trouble

１０年前に神戸の六甲山で撮った
妻との初デートの写真を飾っている。

付き合って、結婚して３回は引っ越しているが
この写真はいつも目に入るところに置いている。

人間は贅沢になるものだ。
初めてのデートから
３か月もすれば、
相手の嫌なところも見えてくる。

こうして欲しい
ああして欲しい

初めて付き合った時の気持ちを思い出せば
いかに自分が贅沢になっていることを感じる。

仕事も同じだ。
内定が決まって、いざ就職。
３か月もすれば、これが俺のやりたいことか・・・
あの内定が決まった時の気持ち
どこに行った？

DJになるまで、僕はテレビ局のAD、サラリーマンも経験した。
いつも同じで途中であきらめる。

今の仕事は
スタジオに上がるまでのエレベーターで
局のプロデューサーと会うことになった
あの日を思い出すようにしている。

ドアが開いた瞬間にリセット
今の環境に感謝できる。

だからその写真は
何歳になっても
白髪が増えても
シワが増えても
目に入る所に置いておく。

「パパ、この写真、何？」と息子
「パパとママが初めてデート・・・」と言った瞬間

息子は写真を奪い取り
妻のもとへ！

「これ誰？」
「ママやで」

「・・・ママちゃう」
「はあ？！」

「ママちがう！ママ変やで」
「何がよ！」

「なんか・・・・」

・・・それ以上言うな！